高齢者の健康生活のための支援技術（高齢者を知る,関係者と連携する,身体を介した脳とのインタラクション）

摘要

日本は，ベビーブーマー世代が高齢期に突入し，死亡率の低下や少子化などの要因で，先進国の中で最も高齢化率が高い国になった．この高齢者たちの健康を支える医療への支出は，75歳超の高齢者の分が全体の半分近くを占めており，医療費抑制のためにも，高齢者自身が食生活や生活スタイルを改善し，なんとか80歳ぐらいまでは，社会参加を続けながら，健やかな暮らしを維持してもらわなければならない．不活発な生活は，心身機能を低下させるだけでなく，生活習慣痛が認知症発症リスクを高める．今後，心身機能を継続的に使い続けるための社会参加を支援するサービスや，健康状態を維持するための生体情報収集および健康助言サービスのシステムなどが展開されていくと考えられる．このようなシステムの研究開発には，当事者を中心に多様な専門職と連携することがポイントとなってくる．