マイクロ光学部品の金型加工技術

摘要

情報·通信機器分野の光学応用製品には，プラスチック光学部品が多用されている．この光学部品の小型化とともに高機能化，高輝度化，高コントラスト化などの光利用効率の向上が要求されており，これに対応して単一レンズから複合レンズへと開発が進んでいる．例えば，光ディスク用ピックアップの対物レンズでは，複数の球面レンズの組合せから単一の両面非球面レンズの開発，そのプラスチック非球面レンズを120mgから1mg以下と軽量化する開発がなされている．さらに，DVD/CD/CD-Rの互換性を持たせるために，2波長（波長650nm，780nm）光源を1つの光学系で構成できる回折プラスチックレンズへと展開されている．これらの単一レンズを小形化·微細化したマイクロレンズの開発と伴に，デジタルカメラや液晶ディスプレイ，光マトリクススイッチなどに使用される光学部品は，マイクロレンズをアレイ状に配置したマイクロレンズアレイ（ここではMLA：Micro Lens Arrayと呼ぶ）の製造方法に関する研究開発がなされている．マイクロレンズの成形法として，ガラスモールドやガラスと紫外線硬化樹脂のハイブリッド成形が提案されたが，金型製作の容易性，形状転写性，量産コストの点で優れたプラスチック成形が微細で複雑形状光学部品の大量生産手段の主流となっている．ここでは，プラスチック光学部品の成形金型の微細加工技術について報告する．