世界最大の農業純輸出国「ブラシヌレ」食料、榖物の一大供給国としての地位は強まるばかり

摘要

G20新時代といわれる今日において、世界経済あるいは世界貿易における新興国の 躍進が著しい。とりわけ、新興国の中でもブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字 をとつたBRICsの存在感が大きくなつている。2001年から08年にかけて世界農産物貿易額は3,525億5,000万ドルから8,531億 7,000万トルと拡大した。その中で、ブラジルの世界シェアは、01年の4.7% (582億 9,000万トル）から08年には6.8%(583億6,000万トル）と着実に拡大している。新興諸 国の中国やロシアは、穀物、食肉需要の拡大により農産物純輸入国である。だがブラ ジルは、世界最大の農業純輸出国であり、供給国として揺るぎない地位を獲得している。 そこで本稿では、近年の躍動的なブラジル農業生産、輸出動向に焦点を当て、その輸 出余力の高さの要因、さらには今後のブラジルの農業生産、輸出動向を明らかにして いく。