Gd-EOB-DTPA造影MRIの臨床的インパクト

摘要

2008年1月より本邦で臨床応用が可能となつた肝細胞特異性MR造影剤であるgadolinium ethoxybenzyl diethylenetnammepentaacetic acid (以下，Gd-EOB-DTPA,プリモビストつは，ダイナミック撮像による肝血流情報とともに，造影後20分程度のhepatobiliary phase (以下，肝胆道相）における高度な肝腫瘍検出や胆汁産生の評価能を有している.ヒトの肝臓の場合，このGd-EOB-DTPAは肝胆道相において，輸送タンパクである organic anion transporting polypeptides1B3(OAIP1B3) を介し肝細胞へと取り込まれると報告されている.しかし現時点ではGd-EOB-DTPAの排泄に関して，動物実験でmultidrug resistance-associated protein (MRP)の関与は示唆されているが，ヒトに関してどのような輸送タンパクが関与しているか明らかにはなっていない.