その思想と展望をひらく第4回子どもの遊びにおける協調と対立のゲーム論的分析

摘要

子どもの世界をのぞいてみると，とにかく「遊′でいる」．子どもは「遊び」を通して他者や環境二いった取り巻く世界に関わっていく存在である言える．幼椎園や保育園といった集団生活を常場では，共同の遊びの中で様々に他者と交渉す〉ことが迫られる．何をして遊ぶか，どのように′て遊ぶか，という交渉である．そこでは，相手）提案に協調するか，それとも対立するか，ある、は遊びをやめるといういくつかの選択肢がある＼どれを選んだほうがよいかは，相手の行為選ミによって自分の選択も左右されるといったゲー、的な状況と考えられる．特に，クラスという有との共同体の中で継続した付き合いを余儀なくさ一るといった制約もあるため，結果的に導かれた戸為をただその子が「そうしたかったから」とかそういう性質を持っている」といった個別的な要きを付加しただけでは，行為の意味を理解するこ．ができない．例えば，幼稚園や保育園といった．イールドで観察をすると，その場限りの短期的こ遊びでも，あるいは，同じメンバーである程度期的に付き合いを繰り返す場合でも，リーダー．従属者といった役割が発生するということがよある．