3.プラズマCVDによる単結晶ダイヤモンド合成の現状と課題

摘要

複数の電気的?熱的?機械的?光学的物性値が物質中最高水準である単結晶ダイヤモンドは，広範な応用が 期待されているものの，インチサイズ級の大面積を有するバルク結晶作製が容易でない点が，製造コストを押し 上げ，幅広い実用化のネックの一つとなっている.プラズマを用いて合成可能であることが見出されてから既に 数10年経った今でも，通常の条件ではφ2インチ（≈50mm）の領域ですら，現実的な合成速度や品質を維持して 合成された報告例はほとんどない.本章では，研究開発の背景を説明し，プラズマを用いた単結晶成長技術の現 状と，更なる合成効率および結晶品質の向上や，機能性付与における課題を述べる.