Mg-La系合金の凝固組織と機械的性質に及ぼすLa量とZr添加の影響

摘要

マグネシウムは比重が174の軽金属材料である．マグネシウムを構造材料として使用する場合は，種々の合金元素が添加される．近年，排出CO_2削減の観点より車体の軽量化を目的とし，自動車部品等に使用可能な高強度マグネシウム合金の開発が進められている．マグネシウムに希土類元素を添加し，Zrによって結晶粒を微細化したマグネシウム合金は，Mg-Al系合金では得ることのできない優れた高温強度を持つことが知られている．例えばMg－R．E．-Zr系合金のWwE54（Mg－5.5Y－2.0Nd－2R．E－0．5Zr）とWE43（MgT4．0Y-3．3R．E．－0．5Zr）は，最適条件下で時効することにより，それぞれ250°Cおよび300°Cまで高強度を維持できる.しかし成分元素として高価なYやNdを必要とすることから，ヘリコブター·ギアボックスなどへの利用が一部で報告されているにすぎない.