景気に対する強気と弱気の見方

摘要

経済環境について強気が大勢を占めているをか，弱気派は少数派となっているが，無視できないのが少数派の意見である。 株式市場では「少数派が勝つ」という事実があるため，強気汎　弱気派の見方を検証してみる必要もある。 そこで，今回は強気派のリポートと弱気派のリポートを比較検討して，それぞれの論点を整理してみよう。 まず,先行きの景気に対して「強気」の論拠を見てみよう。 企業収益の上昇で家計部門も徐々に潤ってくるため，息の長い景気の回復過程をたどるというのが強気派の第一の根拠である。 個人消費に代表されるが，景気の遅行指標である。残業が増え，企業の収益は改善し，給与所得が増えてはじめて消費活動が活発になるためである。 景気はジワジワと良くなっており，個人消費の増加が景気を下支えるというパターンが想定されるからだ。