水力発電機器製造120年の歴史と今後の展望

摘要

東芝の水力事業は，1894年にわが国初の事業用水力発電所に水車発電機を納入してから120年の歴史がある。1940年に水豊発電所に納入した水車及び水車発電機は当時の世界最大容量機でその後，水力発電所及び揚水発電所が大規模化していくなかで，当社は記録的な水力発電機器を製造してきた。当社は，可変速揚水発電システムを1990年に世界で初めて実用化し，現在は世界最大容量となる可変速揚水発電システムを建設中である。水力発電は，もっとも利用されている再生可能エネルギーによる発電であり，また発電電力が天候などにより変化する風力や太陽光など他の再生可能エネルギーによる発電と組み合わせることで，電力系統の安定化にも寄与するため，今後もいっそうの発展が期待される発電システムである。