教育の平等主義は社会的平等か

摘要

大学における研究と教育という教育の現場に日々直面して、「教育の平等」という言葉としては美しい理念によって、逆に日本の格差が拡大しているのではないかという疑問を持つ機会が多い。筆者が都立高校入学の直前に学校群制度というものが導入された。多くの都道府県では、「15の春は泣かせない」という美名のもと、国民の税金によって運営されている公立高校であるからには、学力だけで入学を決めるのではなく、入学を希望する受験生に対しては、受験生全員に平等になるように、くじ引き等によって入学を決めるという方法が導入された。当時は、非人間的な受験勉強は悪であり、暗記中心の受験勉強から自由な教育によって個性と創造性を伸ばすという理想が語られた。