阿波製紙、研究開発部シニアエンジニアの高原豊氏が述懐する開発の経過と成果

摘要

阿波製紙、研究開発部シニアエンジニアの高原豊氏は次のように開発の経過を振り返る。「入社してから約10年近くなり、ようやく自社でどんな紙を製造しているか理解できるようになった。入社当時は綿繊維を原料とした自動車用フィルター原紙や蚊取りマット用紙、無機繊維を原料とした不燃紙が主な生産品目だった。無機繊維の中にはアスベスト繊維もあったが、1970年代後半には国際がん研究機関（IARC）などによって、人に対する発がん性のリスクがあるというリポートが公表されるようになってきた。