フェンタニルバッカル錠と舌下錠における製剤特性に関する比較検討

摘要

2007年に施行されたがん対策基本法におい て緩和医療の必要性が明文化され，緩和医療 の重要性はますます高まっている。緩和医療 の大きな部分を占める疼痛緩和においては， 本邦第4番目の強オビオイド鎮痛薬として 2013年3月にメサドン塩酸塩錠（メサペイン 錠）が発売されたが，薬物動態の個人差が大 きいとの特徴やQT延長という副作用があり, 現在においても疼痛緩和の中心となる強オビ オイドはモルヒネ，ォキシコドン，フェンタ ニルの3成分が主流となっている。なかでも， フェンタニルはモルヒネゃォキシコドンと比 較して便秘ゃ嘔気の副作用が少なく，腎機 能障害患者に対しても蓄積による作用増強は ないとされており，癌性疼痛に対して広く 使用されている。