ボルテゾミブが奏効した髄外形質細胞腫合併の多発性骨髄腫の1例

摘要

メルファラン大量投与+自己末梢血幹細胞移植後に再燃し，サリドマィド投与後に良好な経過を迪つていた多発性骨髄腫（multiple myeloma, MM)の患者（IgG-kappa型，Stage IIIA)せ,左肺尖部と左背部に髄外形質細胞腫を合併した。このため，ボルテゾミブ（1.3mg/m2)をday 1,4, 8,11で2コース投与したところ腫瘤はほぼ消失した。しかしながら， 好中球減少症（Grade 4),血小板減少症（Grade 3 )および末梢神経障害（Grade1)のためボルテゾミブ（1.3mg/m~2)を2週間に1回の間欠投与に変更したところ，約2力月後に髄外腫瘤が再燃した。ボルテゾミブ間欠投与に再発腫瘤への放射線治療（30Gy)を追加したところ腫瘤は再び消失した。放射線治療後3力月の現在もボルテゾミブ単独間欠投与を続けているが，髄外腫瘤の再燃はなく順調な経過を迪つている。MM経過中に出現した髓外形質細胞腫にボルテゾミブ療法が有用であると思われたため報告する。