初回系統的前立腺針生検の臨床的検討．移行域生検および追加直腸指診下経直腸的生検陽性例の詳細

摘要

系統的前立腺針生検（SSB）および追加直腸指診下経直腸的前立腺針生検（TRB）を施行された初回生検例102例（血清PSA値30mg/ml以下）を対象とし,生検部位や生検方法と癌の検出率との関連を検討した．前立腺癌は28例（27.5％）に発見された．生検方法別ではSSBで25例，TRBで15例に癌が発見された．SSBの部位別では移行域（TZ）のみ検出が3例（12.0％），辺縁域（PZ）のみが9例（36.0％），TZかつPZが13例（52.0％）であった．一方SSBで検出されず，TRBのみで癌が検出された症例は3例（12.0％）であった．TZのみ陽性またはTRBのみ陽性の症例は全例限局癌であった．また当科で施行しているSSBによる癌の検出率は既報告とほぼ同等であった．