治療薬としてのどタミンK2製剤の役割

摘要

骨折抑制効果のエビデンスが示された薬物が，わが国でも幅広く用いられるようになり,骨粗鬆症治療に対する考え方も以前とは様変わりしつつある．OF studyの成績などからは,重症の骨粗鬆症患者に,より骨折抑制効果がはっきりした薬剤との併用などの形で用いるのがよいと考えられる．一方,最近·骨量減少者（osteopenia）を対象として5mgのビタミンK1を補充し，プラセボ投与群と骨密度,骨代謝マーカー,椎体骨折を2年にわたり比較観察した二重盲検の臨床研究（ECKO試験）では,がん発生抑制,長菅骨骨折抑制の可能性も示された．低力ルポキシル化オステオカルシンが変化している症例に対して，どのような昏折予防効果を示すのか，写後の進展に興味が持たれる．