今回の救急蘇生ガイドラインでは,より深く,より速い胸骨圧迫が推奨されるとともに,胸骨圧迫から心肺蘇生を開始するように変更されるなど,従来に増して,胸骨圧迫の重要性が強調されている. また,実効性を高めるための教育と普及の重要性も強調されている.今後は,胸骨圧迫のみの蘇生法も活用しながら,いかに救急現場での良質な胸骨圧迫を増やしていくかが,心停止から救命率向上のカギを握っており,病院外にも目を向けたプライマリ·ケア医の活躍が求められている.今回の救急蘇生ガイドラインでは,従来に増して,胸骨圧迫の重要性が強調されており,胸骨圧迫に関する変更部分が最大のボイントといえる.心肺蘇生の順番が,いわゆるABC (A : airway, B : breathing, C : compression)からCAB (C : compression, A : airway, B : breathing)に変更されたことや,より深く (5cm以上の深さ),より速い(1分間に100回以上のテンポ)胸骨圧迫が求められたことはその代表例である(第6項ガイドラインのアウトライン参照).
展开▼