発熱時のケアと解熱剤の選択について

摘要

発熱に対する処置は，解熱による利点と副作用の両面を考慮した上で，個々の患者の状態に応じて適切になされるべきである．急性の発熱の最も多い原因はウイルス感染症で，本来短時日のうちに自然軽快する.原因のはっきりしない発熱に対し，漫然とした抗生物質投与は控えるべきである．微熱には器質的または機能性のものがあり，全身状態を考慮して患者の問題解決をコールとする．解熱剤としてはアセトアミノフェン（ビリナジン，力ロナール）や非ステロイド性抗炎症薬（nonsteroidal anti－inflammatory drugs；以下NSAIDs）が使用されるが，NSALDsの禁忌（小児，喘息患者，出血傾向など），高齢者の腎機能低下などを考慮して選択する．