胃切除後再建における代用胃へのこだわり

摘要

近年，癌の早期発見の増加および補助化学療法の発 展に伴い胃癌術後に長期生存する症例が増えたため，術後のQOLが軽視できない時代となってきており， 術式や再建法のさらなる改良が望まれている.次代の 手術法として，腹腔鏡やロボット手術といった低侵襲 手術がめざましい発展を遂げているが,こと再建法に 関しては，1世紀以上前に開発されたBillroth I法や Roux-en-Y法が採用されているのが現状である.奇妙 なことに，次代の手術法が発展する代償として，長期 QOLに大きく関わるはずの再建法は前時代に後退し ているのである.