特定健診?特定保健指導を生かし慢性腎臓病(CKD)対策を進める 「保健指導のための学習教材」の完成にあたって

摘要

慢性腎臓病(CKD)は慢性腎不全による透析導入ばかり でなく，脳卒中や心筋梗塞といった心血管イベントの強い 危険因子であることが知られており，心血管ィベントを減 らす目的からもCKD対策の推進が求められている。平成22年から40歳以上の成人を対象として始まった 特定健診?特定保健指導は，脳卒中や心筋梗塞などの心血 管疾患の発症防止を目的としており，その成果をあげるう えでは，心血管疾患の強い危険因子であるCKD対策を適 切に位置づけることが求められる。しかしながら，日本人 成人の13 %を占めるCKDについて，特定健診?特定保健 指導のなかでどのように予防を進めるカゝ，また，発見され たCKDにどのような保健指導を行うかについて，明確な方向が示されていないのが現状である。