食品衛生法と地方自治法との関係 フグの衛生確保を例として

摘要

食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「食衛法」という）は，食品等の飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し，もって国民の健康の保護を図ることを目的とする法律である。そして，食衛法はこの目的を達成するため，食衛法第2条において国および地方公共団体が行うべき責務および連携を図ることを規定している。このことは，食衛法に基づく事務について，国や地方公共団体の関係行政機関が，適切な役割分担のもと，相互に連携しつつ食品の安全性確保のための取組みを推進していくべきであることを意味するものであり，当該規定を踏まえ，例えば食衛法第55条において営業の禁停止等の処分について役割分担に応じて権限の主体を明確に分けて法律上規定するとともに，「食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針」（平成15年厚生労働省告示第301号） を示し，関係行政機関における重点的，効率的かつ効果的な監視指導を実施してきたところである。