ウェステルマン肺吸虫による食中毒事例について 発生概要と原因に関する疫学調査

摘要

佐賀県唐津市内にあるホテル内の中華料理店を原因施設として,平成16年秋に肺吸虫症の集団発生があった。 計4名が肺吸虫に感染し, 2名は呼吸器症状を呈したが,ほかの2名は血清反応のみ陽性の無症着であった。 いずれも地元産モクズガニの老酒漬を非加熱で摂食していることから,ウェステルマン肺吸虫による食中毒として,食品衛生法に基づく届出が行われた。 このような事故の再発を予防するには,本事例発生の背景を明らかにするとともに,原因についての疫学調査が重要と考えられた。