薬疹·水疱症の粘膜病変

摘要

薬剤による粘膜病変は急性および慢性の疾患がある.急性に発症するも.のとしては即時型アレルギーないしNSAIDs不耐症による血管性浮腫や遅延型ァレルギ一による粘膜痃が多くみられる.慢性に経過する薬剤性粘膜病変としては薬剤性天疱瘡や薬剤性口腔扁平苔癬があげられる.一方，水疱症のうち自己免疫性水疱症は慢性に経過する粘膜皮膚病変の代表的疾患である.これらは同時にみられる皮膚病変の所見と合わせて診断されるが，ときに皮疹がほとんどみられないこともあり，その際には特徴的な粘膜病変から診断される.ここでは，遅延型アレルギー性粘膜疹と自己免疫性水疱症の粘膜病変について，その特徴と鑑別診断を中心に解説する.