マイクロインジェクション法を用いた遺伝子の定量的核移行性評価法の確立およびProtamineによる遺伝子発現上昇機構の解明

摘要

効率的な遺伝子治療を行う上で核膜透過は大きな障壁である。 現在、遺伝子の核移行を促進させるベクターの開発に注目が集まっており、プラスミドDNAをProtamineと複合体形成させることによりトランスフェクションによる遺伝子発現の上昇が報告されている。しかし、トランスフェクションによる評価は、細胞内への取り込み、エンドソーム脱出、核移行、核内転写などの多くの過程のハイブリッドパラメーターであり、核移行性のみを十分に評価できていないのが現状である。 本研究では、細胞質および核内マイクロインジェクション法を用いて、遺伝子ベクターの純粋な核移行性を定量的に評価した。