コマツ6Mシリーズマリンディーゼルエンジンの開発：6M140A(P)-5形機関の紹介

摘要

コマツは昭和49年（1974年）から，小型高速舶用機関の生産，販売を開始し，昭和60年（1985年）より『EMシリーズ』として51～551kWまでの各漁船法別の系列化を完成させた。 ついで平成1年（1989年）から，市場が要求するさらなる高出力，高性能，軽量化のニーズに応えるべく，『6Mシリーズ』マリンエンジンの導入を開始し，57kW～941kWまでの系列化を完成させた。 さらに2000年1月1日からの国際的なマリンエンジンに対する排気ガス規制（IMO規制International Maritime Organization）をにらみ，さらなる高出力，高品質を目指し平成8年（1996年）より国内初の業務艇用主機としての電子制御マリンエンジン(6M140A-3)の市場導入を開始し，以後漁船法120-130の階層に対し，この系列化を進めてきた。 今回この集大成として，本年の秋より最新機種である6M140A(P)-5形機関の市場導入を予定している。また2000年には主力製品群の大部分に対し，IMO規制に適合を示す，NK（日本海事協会）によるエンジン国際大気汚染防止証書(EIAPP: Engine International Air Pollution Prevention Certificate)の取得を完了した。 そこで，本稿ではコマツ6Mシリーズマリンディーゼル機関，最新機種である6M140A(P)-5形機関，並びにコマツマリンエンジンの排気ガス規制に対する取り組み方について，その概要を以下に紹介する。