溶融により粒子が上部から供給される場の熱対流実験

摘要

地球内部では高温のマグマが貫入し、周囲の岩石を融かす状況が想定される。融けた岩石はマグマの熱対流場にどのような影響を与えるだろうか？Huppert and Sparks（1988）は、上部の岩石を融かす場合を想定して、融けた液体の密度の影響を調べる流体実験を行った。しかし部分溶融した岩石は、密度の高い固体の結晶と液体のメルトからなるため、結晶が沈降して熱対流に影響を及ぼす可能性がある。実際、Koyaguchi et al（1990）では、液体中の固体の粒の数密度が高いと熱対流を抑制することを示している。そこで、本研究ではHuppert and Sparks（1988）の実験を発展させ、結晶沈降の効果を取り入れて熱対流場への影響を調べた。その際、結晶の沈降速度の影響を調べるため、粒径を1桁変えて実験を行い、その結果を無次元数により整理した。