含水加工油を用いた放電加工特性

摘要

形彫放電加工液は低引火点（80～100℃）で、一旦火災が発生すると極めて危険な燃焼源となる。よって、加工液には高引火点化·難燃化が望まれる。上記要望から、水溶性ポリマーに水を添加した難燃性加工液が以前報告されている。しかし、この加工液を用いた場合、電極はグラファイトに限定され、銅電極では油性加工液と比較し、加工能率が悪く、電極消耗も高い。そこで、銅電極での加工性に優れる難燃性加工液の開発を目的に、水溶性ポリマーとはタイプの異なる含水加工液を調製した。本加工液は従来の油性加工液に用いられる低粘度の炭化水素に可視光線の波長より小さな水微粒子を分散させたW/O型マイクロエマルションであり、見かけ上透明なため、水可溶化油と言われる。本報では、銅系電極を用い、水可溶化油と油性加工液の加工特性を比較した。