B{sub}2O{sub}3を添加したGd-Fe共添加チタン酸バリウムの電気特性に及ぼす焼成雰囲気の影響

摘要

チタン酸バリウム(BaTO{sub}3)の低温焼結に関して，近年，B{sub}2O{sub}3，BNなどを焼結助剤として使用した研究がいくつか報告された．著者らもこれまでにBaB{sub}2O{sub}4を添加したBaTiO{sub}3の焼結性と電気的，機械的性質について報告した．低温焼結は，BaTiO{sub}3の焼成に際して省エネルギープロセスとなり，ひいては，地球環境保全につながるものである．また，情報通信機器などの電子機器は年々小型化が進み，それには，BaTiO{sub}3のような電子セラミック素子の小型化が欠かせない．抵抗の正の温度係数(PTCR)をもつBaTiO{sub}3半導体の小型化には，Niなどの金属を内部電極とする積層化が一つの方法である．内部金属電極とともに積層したBaTiO{sub}3半導体の焼成には還元雰囲気が不可欠となるが，還元雰囲気によりPTCR特性は著しく劣化することがよく知られている．そこで，本研究では，低温で焼結し，かつ還元雰囲気焼成してもFTCR特性を保持するBaTiO{sub}3の開発を目的とした．特に，本論文では，焼結助剤としてB{sub}2O{sub}3を用い，空気中およびAr中で1250～1380℃で焼成したGd-Fe共添加BaTiO{sub}3の電気特性および分光学的特性を調べた．