バリウム，ストロンチウム酸化物を添加したビスマス系酸化亜鉛バリスタの 電気的特性に関する研究

摘要

現在，電子デバイスを用いた制御回路等は数ボルト程度の動作電圧であり，外部からの異常電 圧による誤動作が発生しやすい。これを防ぐため，低電圧 ZnO バリスタが必要とされている。Bi系 ZnO バ リスタの基本添加物である Bi，Mn，Co に，粒成長を促進する効果があるとされているBaを添加することで ZnO 粒径を制御することが可能となり，約 12V/mm のバリスタ電圧が得られた[1] 。しかし，Ba の添加によ り異常粒成長した ZnO 粒子が出現し，電流が集中的に流れ部分的な課電劣化を引き起こし耐課電劣化特性 が良好でないことが報告されている。本研究では Ba と同じⅡ族のアルカリ土類金属で耐課電劣化特性の向 上に寄与するとされている Sr を Ba と同時添加し，Sr と Ba の添加量の総和を一定とし ZnO粒径を制御 することにより，低バリスタ電圧かつ耐課電劣化特性の良好な試料の作製することを試みた。