おいしさの科学: おいしさの評価技術とそのヒトへの影響

摘要

人間はただ単に飢えを満たしたり、栄養素や機能成分を摂取するためだけに食物を取っているのではなく、食物が人間の体内に摂取されるとき、味覚、嘆覚、触覚、視覚、聴覚の五感すべてを通して食物を認識する。 このとき引き起こされる快い感覚と、歓びこそが　 「おいしさ」であり、食物をおいしく食べるということは、生きることへの積極的な意志と喜びの発現にはかならない。 また、人間は自然から与えられた金物を加工、貯蔵し、調理することにより、元の素材にはなかった新たな「おいしさ」が創り出されることを、長い歴史の中で経験的に見いだしてきた。