創薬研究を一本化外部の知恵を取り込んで新薬を作る: アステラス製薬の創薬研究戦略

摘要

売り上げの柱の免疫抑制剤の特許切れで、新梨晶を必要としているアステラス。創薬研究を強化するため、つくば市の研究センターを拡張し、新しい研究所を設置する。アライアンスを通じて新技術や新薬のシードを社外で育成、機を見て社内に取り込む作戦だ。アステラス製薬は、08年9月に茨城県つくば市のつくば研究センターに新しい研究棟を完成させた。これまで茨城県つくば市と東京都板橋区、大阪市に分散していた創薬研究機能の集約、強化を目指したものだ。09年4月には、分子医学研究所、薬理研究所、化学研究所、創薬推進研究所、開発薬理研究所がつくば研究センターに集められた。「（山之内製薬と藤沢薬品工業が）合併したとき、かなり人材を流動化させたつもりだった。しかしこれまでは化学は化学、薬理は薬理と各研究所が独立しており、合併の効果を出し切れていないところがあった」と、アステラス製薬の塚本紳一研究本部長は振り返る。