窒素栄養条件が玄米中の遊離アミノ酸含有率とその組成に及ばす影響

摘要

窒素施用量を変えて水稲を栽培し，玄米中に含まれる各種遊離アミノ酸と収量構成要素との関係を検討した．1）玄米中で最も含有率の高い遊離アミノ酸は，グルタミン酸であり，総遊離アミノ酸の34～38％を占めており，また含有率の高い主要6種の遊離アミノ酸（グルタミン酸，アスパラギン酸，アスパラギン，アルギニソ，アラニソおよびグルタミソ）で総遊離アミノ酸の約80％を占めていた．2）玄米中の総遊離アミノ酸含有率ほ，窒素含有率に対して負の相関があり，無窒素区において最も高かった．また，各遊離アミノ酸含有率ほ各処理区別には，無窒素区のグルタミソ含有率および組成が他区に比べて極めて高いことが特徴的であり，その他主要遊離アミノ酸（グルタミン酸，アスパラギン酸，アスパラギソおよびアラニソ）でも無窒素区が他区を上回った．3）千粒垂が低いほど，総遊離アミノ酸含有率およびグルタミソ含有率が高い傾向があった．