力キ養殖の実施形態別有機物負荷特性の評価

摘要

瀬戸内海の広島県沿岸では，マガキCmssostrea gigas (以下，カキ）の養殖が古くから盛んに行われてきた。 現在，この海域で行われているカキ養殖は，竹製の筏の 下にカキの幼生を付着させたホタテガイPatinopectm yessoensisの殻(コレクター）を針金に通して吊り下げ る垂下式養殖が主流である。この手法の特徴は漁場を立 体的に利用できるため，集約的にカキを養殖できること である。垂下式養殖が普及し始めた1955年以降から力 キの養殖量は飛躍的に増加した。また，1970年頃か ら，夏の高水温を回避するための深吊り技術の導入や， 夏と冬で筏を移動させるという養殖技術の改良が加えら れ，1980年代には生産量が約30,0001で安定してい た。1)しかしながら，その後，1992年から1998年まで Alexandnum tamarenseの発生原因とする只毒によつ て出荷自主規制が実施されたことや，1996， '98， '99年 にHderocapsa circulansquama赤潮による力キの大直斃 死が発生したことによって，生産量は2000年までに約 20,0001にまで減少した。