黒酢もろみ末のII型糖尿病モデルマゥスKK-A~yに対する高血糖抑制効果

摘要

黒酢は鹿児島で伝統的に造られてきた食品であり，多く の生理作用を有していることが^]られている.本研究で は，黒酢の発酵残渣である黒酢もろみ末の高血糖抑制効果についてn型糖尿病モデルマウスKK-Ayを用いて検討を 行った.マウスは1週間の馴化飼育後3群にわけ，コントロール食としてCE-2を用い，試験食として0.5%黒酔もろ み末含有CE-2, 0.01%ピオグリタゾン含有CE-2を作製し51日間摂取させた.ピオグリタゾン群の血糖値は飼育10 日目よりコントロール群に対して有意に低下し，黒酢もろ み末群の血糖値は飼育40曰目よりコントロール群に対し て有意に低下した.血中総コレステロール濃度，中性脂肪 濃度は黒酢もろみ末群，ピオグリタゾン群いずれでも有意 に低下したものの，肝臓中の中性脂肪含量は黒酢もろみ末 群のみ有意に低下した.さらに，筋肉，肝臓，脂肪組織中 のタンパク質発現を検討したところ，筋肉中のGLUT4の 膜移行が黒酢もろみ末群およびピオグリタゾン群で有意に 増加した.また，PPAR alphaおよびリン酸化AMPK alphaも黒酢 もろみ末群およびピオグリタゾン群で有意に増加した.一 方，肝臓中では，IR/3の発現が黒酢もろみ末群で有意に増 加しており，そのリン酸化は黒酢もろみ末群およびピオグ リタゾン群で有意に増加した.脂肪組織中のPPAR gammaにつ レ、て検討したところ，ピオグリタゾン群では有意に発現が 亢進した力、熏酢もろみ末群では有意に減少した.以上よ り，黒酢もろみ末は高血糖抑制および高脂血症抑制に有用 な食品であることが示唆された.