ブルーベリーを中心とした園芸作物のアントシァ蓄積機構の解明および成熟、加工特性に関する研

摘要

アントシァニンはシダ植物以上の高等植物に広く分布 する植物色素であり, フラボノイド合成経路を経由して 生合成される(図1)。植物体内では, アントシァニン はァグリコンであるアントシァニジンに様々な糖や有機酸が結合した配糖体の形で存在するが, 現在までに約400 種の存在が確認されている。アントシァニンは赤紫青色を呈するこ、とから, 伝統的にこの色合いを利用し てワイン, ベリー類のジャム, 梅漬けなどが加工されて きた。また, アントシァニンには様々な生体機能性(視 機能改善機能, 生体過酸化防止機能, 抗発癌性活動等) があることが報告されており, 近年非常に注目され ている物質の一つであるといえる。本研究ではブルーべ リーをはじめとする園芸作物のアントシァニン生合成経 路を解明し, 植物ホルモンによりその制御を試みた。さ らに, 数種の食品加工工程におけるアントシァニンの動 向を調査した。