バオバブ(Adasonia digitata)フルーツパルプの水溶性 食物繊維の糖組成およびラットを用いた耐糖能の評価

摘要

バオバブ(Adansonia digitata)フルーツパルプ（BFP) の成分特性，ならびに機能性成分であるDF，ことにSDF の糖代謝に及ぼす影響について検討した。BFP-SDFは酸性糖力;82, 9%で中性糖が10,1%であつ た。また，メトキシル化度が14,1%であったことから， BFP-SDF中の主成分はLMぺクチンであること推察され た。BFP-SDFを用いた,Wzroにおけるグルコース拡散阻 害実験においてグルコースの拡散が阻害されることを認 めた。また，Caco-2細胞を用いた試験により透過吸収 阻害も起こりうることを明らカゝにした。また，BPF-SDF 粗標品を5,0%および10%含む40%グルコース溶液2,5m をラットに単回経口投与した場合，対照グルコース溶液 投与のみのものに比べて，投与後90分以降での血糖値が 有意に低下することを認めた。その作用機序として小腸 内での拡散および吸収の阻害により血糖値の急激な上昇 が抑制されることが推察された。以上のことからバオバ ブフルーツは食後血糖値をコントロールするための有用 な食材であることが考えられた。