ウシ黄体の形成と退行 -古くて新しい血管と黄体機能の関係-

摘要

発情周期を回帰するウシ卵巣上では、ほとんどの卵胞は厳しい生存競争の過程で閉鎖してゆき、多くの場合1つの卵胞だけが排卵に至る。 排卵が起こるためには1重体前葉からのLHサージが必要である。 LHサージは，排卵し、受精が成立して、排卵点が速やかに黄体へ分化、発育してゆけるように、成熟した主席卵胞とその中の卵母細胞の様々な局所調節機構のスイッチを入れる重要な役割を担っている。 黄体が分泌するプロジュステロン（P）が、初期妊娠の成立に必要不可欠であることは誰もが知るところである。 本稿では、排卵後、この黄体がどのように成長し、また妊娠が不成立の場合はどのように自ら退行して、次の排卵．受精のチャンスを待つのかについて、黄体の機能と構造から紹介する。