香港におけるコメの輸入需要からみた日本産米の輸出可能性

摘要

2009年以降，香港の日本産米輸入量は台湾を上回つ ており，現在，日本産米にとって，香港は最大の輸出 先となっている.香港の市場は，今後，東アジアや南 アジアへ日本産米を輸出するためのゲート,ウェイと しても重要である.一方，もともとインディ力米が大 半を占める香港の輸入米の中で，ジャポニカ米輸入量 に占める日本産米のシェアは未だ小さく，日本産米の 輸出を拡大するためには，中国，豪州，米国といった ジャポユカ米輸出国との競合にどう対抗するかとt 、う 課題がある.こうした状況をふまえて，本稿の課題は， 香港を対象としたジャポニカ米の輸入需要体系を計測 して，日本産米の輸出可能性を検討することである.日本産米の輸出可能性については，藤野（2010)が 動向を整理して展望を提示したが，その後，三宅-草 (2012),荒幡(2015),高橋ら(2016)による計 量分析も試みられるようになった.