トスボウイルス研究の進捗状況

摘要

トスボウイルス属の代表種であるトマト黄化えそウイルス（Tomato spotted wilt tospovirus；TSWV）は，1915年にオーストラリアで初めて発見された。 植物ウイルスとして認知されてからの歴史は古いが，ウイルス粒子の精製が困難であったことなどから他の植物ウイルスと比較して研究が立ち遅れていた。 分子生物学の発展とともにウイルス学研究で利用される実験手法も大きく変化し，そのため本ウイルスの遺伝的性質も明らかにされ，動物ウイルスと一体として設定されたBunyaviridae科に分類された。