緑色光照射技術の普及を目指した取り組みについて

摘要

農業分野での光利用は，①植物の生理調節や光合成促進のための電照や補光，②害虫防除のための黄色光や緑色光の利用，③特定波長の光を用いて植物の病害を防ぐ光防除，に大別することができます。光利用は農業電化が最も得意とする分野のひとつであり，その安全性や利便性の高さなどから，最近の食の安全、安心への志向にもマッチする技術として更なる普及拡大が期待できます。　当研究所では，安全性が高い光防除技術について研究を進めた結果，緑色光照射がイチゴ炭そ病に対して防除効果を示すことを明らかにし，その概要を昨年度の支部だよりで紹介しました。その後，果菜類や花井類への適用拡大やイチゴ果実肥大促進効果を見出すなど，普及拡大にも役立っ極めて興味深い知見を得ましたので，その一端を紹介します。