アラスカ先住民のcorporation方式による土地所有権の確立過程について-ANCSA of 1971の成立までを中心に-

摘要

アラスカ州の総面積（陸地）は，およそ3億7，160 万acre (約149万km2)で，内訳は，連邦所有地2 億4，200万acre,州有地8，950万acre,および先住 民所有地3，740万acre (その他に，先住民以外の民 有地が270万acre)である（2000年現在).アラスカは1867年に口シ.ァから譲渡されたが， 「1971年アラスカ先住民の請求にもとづく継承的不 動産設定法」（Alaska Native Claims Settlement Act: ANCSA)まで土地の所有権が確定されなかった. ただし，1884年基本法Organic Actにおいて，土地 の最終的な配分は，将来，連邦議会の立法によって 定める，とされた.さらに，1958年アラスカ州制 定法Alaska Statehood Actは，州政府自身がおよそ 1億200万acreを取得するなどとした（Sec.6. (b)).本稿では，1971年ANCSAにおいて，アラスカ 先住民(Indians, Aleuts, and Eskimos;が，株式会 社corporation方式にもとづいた土地所有権の確立 を図ってきた経過を明らかにする.