蒸熱処理により病害虫を一発防除-農薬を使わずうどんこ病、アブラムシ-ハダ二を同時に防除する-

摘要

イチゴは栄養繁殖性で栽培期間が長期にわたるため、病害虫管理には多大なコストがかかる。育苗期の炭疽病や果実生産をする本圃でのうどんこ病、ハダ二 、ァブラムシのような微小害虫は防除適期を逸すると圃場内に蔓延する。これらの病害虫の感染源は親株からの感染であったり、苗による本圃への持ち込みであつたりする場合が多い。促成作型では低温期の施設内栽培であるため、外部からの病害虫の飛び込みは少なく、病害虫が付着した苗による持ち込みが発生源であると考えられている。また、近年は炭疽病の感染を回避するため、北海道のような冷涼-地で育苗する「リレー苗生産」が行われるようになつてきており、苗を広域移動させる際にも病害虫の付着を防ぐ必要が出てきている。以上のように苗ゃ本圃での初期防除の必要性が高まっている。