野生動物の宝庫に貢献ツェツェハエ

摘要

乾燥した大地を疾走する車の後ろにもうもうと巻き上がる土煙。 でも、よく見ると土煙にしては粒が大きく、まるで南の海で群れなす小魚のように見えた物、それが私がアフリカ大陸で見たツェツェバエの第一印象でした。 連載の終わりに、トリパノソーマという恐ろしい寄生虫（原虫）を人や家畜に媒介するツェツェバエ（写真1）を紹介します。 ツェツェバエは、これまでに23の種と8亜種（合わせて31）が知られている吸血性のハエで、アフリカ大陸のサハラの南、北緯15皮から南緯20度に広がる、いわゆるツェツェベルト地帯の約1，500万km~2ヒの熱帯雨林から乾燥地、そしてマングローブの生い茂った湿潤地までのさまざまな環境に生息しています。