イギリスの花文化が伝える、切り花の鮮度保持

摘要

イギリスの花文化は、野に咲く花を花束にすることから始まりました。庭に咲き誇る色とりどりの花を慈しみ、その美しさを家庭生活のなかに採り入れたことから、フラワーアレンジメントの歴史がスタートしています。　花ほ消えてしまうものだからこそ、特別な価値があります。いつの時代も、限りある花の美しさを長く楽しみたいという人々の気持ちは変わりません。最近では、切り花用の延命剤や栄養剤が多く出回り、便利になりました。ここイギリスでも、ちょうど私が花店を出した1980年代後半から、パウダー状の延命剤が登場し始めました。花業界に小さな革命が起きたといっても、過言ではないでしょう。バケツを常に清潔にし、腐らないように水を替えるのは、お花屋さんの日常業務でしたが、延命剤のおかげで、冬の寒いなかでの重労働も半減されました。