WHOガイドライン'：神経管欠損症を予防するための出産年齢女性の血清および赤血球中の葉酸濃度の最適値

摘要

出生異常ともいわれる先天性疾患は胚の発達過程で 生じ，出生前，出生時またはその後に検出できる代謝 異常などの構造的または機能的異常と定義される.そ れらは単一遺伝子の欠損，染色体異常，多因子性遺伝， 環境の催奇形物質または微量栄養素の欠乏など様々な要因とその相互作用によって生じる.20に年，全世界 の270,358例の死亡は受精後28日の間の先天性異常に 起因すると推定されている（1000件の生存出産に対し て3.3件の死亡）.神経管欠損症（neural tube defects ： NTD)は最も深刻で最も多い異常のひとつである.先 天性疾患の罹患や死亡の新たな重要性に対処するため に2010年5月21日，第63回世界保健総会は全ての 加盟国に対し，出生と死亡の登録および調査制度を策 定.強化し，国際協力を促進し，専門性を磨きその能 力を強化し，病因解析，診断および予防に関する研究， 調査の強化をはかることにより一次予防を促進し，出 生異常の子供の健康を向上させることを呼びかける決 議0を採択した.この決議にもとづいて，作成された WHOガイドライン2'にっき概要を紹介する.