ビタミンEコハク酸のinvitrvでの作用メ力二ズムの 解析からin vivoがん治療システムへの展開*

摘要

ビタミンEコハク酸（VES)は，ビタミンEの抗酸化 活性部位であるフエノー ル性水酸基にコハク酸がェステル結合しているために，抗酸化活性が欠質した化合物である.ビタミンEの生理作用の多くは抗酸化作用 によるところが大きレゝが.VESは抗酸化活性がないに もかかわらず，様々な生理作用を有することが報告されている.例えば.ラット血管平滑筋細胞において，リポ多糖とインターフェロン-yによって誘導される 一酸化窒素産生を促進すること1),アセチルコリンェ ステラーゼの阻害2),核内転写因子nuclear factor-/cB (NF-/CB)の機能阻害3),乳がん細胞の分化促進4>,な どがあげられる.特に，がん細胞特異的なアポトーシ ス誘導5"1,腫瘍の成長に必須である血管新生の抑制" などの多面的な杭がん活性を有するだけでなく .生体 内においてVESはアポトーシス誘導活性のないa -ト コフヱロールとコハク酸に加水分解されることから， VESは新規の抗がん剤候補として着目されている.こ れまでに著者らは.VESの臨床応用へむけて（1)VES のアポトーシス誘導における構造活性相開，(2) VES のアポトーシス誘導機構，（3) VESの製剤化などに関 して検討を行ってきたので，本稿ではその詳細を以下 に紹介する.