現在使用されている抗ヘルペスウイルス薬は,最終的な標的がウイルスDNA polymeraseであり,長期に渡って使用すると必然的に薬剤耐性ウイルスを生じ,しかも,しばしば交差耐性を示す.更に,現在の抗ヘルペスウイルス薬は,経口投与による吸収が悪く,何らかの副作用がある場合が多い.従って,作用機序を異にする新たな薬剤が求められている.このような新たな薬剤として,helicase/primase複合体,terminsae複合体,pOrtalprotein,さらに,サイトメガロウイルス(HCMV)のUL97 protein kinaseなどを標的とする抗ヘルペスウイルス化合物が見出されている.このような化合物が臨床応用できるようになると,多剤併用療法などヘルペスウイルス感染症の治療は全く新しい局面を迎えることになる.
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