飼料用米生産-流通の仕組みとさらなる利用拡大について: 全農グループの取り組み

摘要

昨年末、政府は米政策の見直しを公表した。米の生産調整目標の都道府県別配分を4 年後の平成30年に廃止することに加えて、 1万5000円あった米の直接支払交付金を平成 26年産から半額の7500円とし、平成30年産に はこれも廃止するとした。政府はこの米政策の見直しの中で、主食用 米の作付けを抑制し、主食用米以外への作付 け転換を促す対応策として、水田フル活用へ の支援の拡大をおこなった。その支援拡充の 中でとりわけ目を引いたのが飼料用米等への 数量払いの導入である。これまでは作付面積 により生産数量に左右されることなく助成さ れていた飼料用米等について、金額に上限は あるものの生産数量に応じて飼料用米等への 交付金が増減することとなった。政府は主食用米以外への作付け転換におい て、潜在的な需要が大きい飼料用米の生産拡 大をとりわけ重要視している。一方で、飼料 用米の取扱数量拡大に対しては、産地での生 産-集荷体制の整備に加え、配合飼料の主原 料（とうもろこし等）並みの大量搬入-製造 体制を構築する必要があるなど、課題が山積 している。