各耐震要素の性能が伝統構法木造建物の±也震応答に及ぼす影響に関する研究2016年熊本•における被害建物を対まとして

摘要

伝統構法による木造建物は特に2010年から2012年にかけての要素実験ゃ実大実験,解析的研究により，地震に対し現代の工法と比べ最大耐カは劣るものの大きな変形性能を持ち，粘り強いことが明らかにされてきた。しかし，近年発生した大地震や南海トラフ地震をはじめとする今後の地震への懸念より，耐震補強は重要な課題である。耐震設計•耐震補強設計の方法に関しても，限界耐力計算によるマニュアルが作成されるなど研究が進hでいる。限界耐カ計算は伝統構法の構造的特徴に対応できる自由度の高い計算法であるが，建物の任意の場所の地震応答を把握する点では3次元立体モデルによる地震応答解析が勝る。だが，3次元地震応答を用いた伝統構法木造建物の耐震補強に関する研究は多くない。そこで本研究では，2016年熊本地震で被害に遭った伝統木造住宅を対象とし，各構造要素の剛性を変えて解析を行うことで，どの要素が建物の応答に大きく関わっているかを明らかにし，耐震補強の優先順位を検討することを目的とする。