レモンの香気成分が天然水の味質に与える作用について

摘要

我々が「美味しさ」を判断するとき、「味」だけでなく、におい、テクスチャー、温度、色、形状など多様な情報を受容し、総合的に「美味しさ」を決定している。中でも、「におい」というファクターが味覚に対して大きく影響を与えることは先の研究により明白である。しかし、この「におい」の味覚への影響は、食品フレーバーとして添加されたものを評価した口腔経由のにおい（レトロネーザルアロマ）についての検討であり、純粋な鼻腔経由のにおい（オルトネーザルアロマ）についての検討は、ほとんどなされていない。そこで本研究では、鼻腔経由のにおい（オルトネーザルアロマ）が天然水の味質に与える作用について、レモンの香気成分を対象に検討を行った。