鉄道構造物の変状をいち早くとらえる

摘要

鉄道は線状構造物であり，一部の機能不全が線区全体に影響を及ぼすため，適切 なメンテナンスが重要です。今後は構造物の経年化に加え，少子高齢化の影響で検査員が減少することが想定され，現在以上に効率的かつ早期の変状検知，変状が構 造物の安定性に及ぼす影響の評価，措置の選定が必要です。ここでは，検査が困難な場合が多いプレストレストコンクリート桁の曲げひび割れを早期検知するための モニタリングシステムと，非常に数量が多い土留め擁壁の変状が安定性に及ぼす影 響を衝撃振動試験によりとらえるための手法について紹介します。